さとえ学園小学校
教諭 山中昭岳
前号では、本実践の下見についてお伝えしました。
本号では、下見で撮影してきた写真を活用した事前指導について紹介します。本時は、川に行く前の事前の学習となります。子どもたちは、夏休み中に川のこと、生きもののことや危険なことなどについて学習しています。それらをもとに、実際に自分たちが行く川について学んでいきます。その際に、教師から一方的に伝えるのではなく、子どもたちが川に行きたくなるような展開にしていきます。
1人1台の端末を活用し、まずは、下見で撮影した写真を提示して、「生きものがいそうな場所を青色でマーキングしましょう」と指示します。このときに、この写真は当日に活動してよい範囲を示していることも伝えます。
また夏休みの学習を生かして、川にどんな生きものがいるかを予想して書き込むように伝えます。このとき、子どもたちに「この予想の答えは、どうしたらわかるかな」と投げ掛けます。すると、子どもたちから「川に行ったときに、その生きものを捕まえられるかどうかでわかる」といった反応があったため、「川で答え合わせしましょう」と伝えます。
次に、「危険な場所だと思うところに黄色でマーキングしましょう」と指示します。子どもたちが黄色で書き込んだ後に、教師から危ない場所を伝え、赤色でマーキングをするように伝えます。
ここまでが個人での作業となります。
当日はグループでの活動となりますので、この後にグループでの話し合いを行います。個人作業で行った「自分の意見や考えが見える状態のもの」が手元にある段階で、グループでの話し合いに進みます。
まずは、それぞれの意見や考えを出し合うことから始めます。そこでは、みんなの意見や考えを否定せず質問もせず受け入れることを提案します。
この時、ベン図の活用が効果的です。子どもたちそれぞれが、自分と友だちの意見や考えが同じところ、違いやズレのあるところについてベン図を使ってメモしながら話を聞きます。その後にみんなの考えの違いやズレをどうすり合わせていくかを話し合います。
低学年の頃から子どもたちのモチベーションが高い活動を利用して、対話しながら建設的な議論を展開できるよう練習していきます。
こうすることで、当日の活動内容を「自分たちで」「みんなが納得する形で」設定することができます。
つづく
プロフィール
さとえ学園小学校
教諭 山中昭岳
なぜ、小学校の先生に?
給食、遠足、修学旅行。楽しく、変化いっぱいの毎日が過ごせ、誰よりも一番近くで子どもたちの成長する姿をみることができるから。
my belief
先生は子どもたちにとって空気のような存在