1人1台デバイス時代における生活科の授業の中でのスキルアップ~1年生からクラウド活用~

さとえ学園小学校

教諭 山中昭岳

本ブログにて、「しぜんとともだちになろう」シリーズで諸感覚を使った学びを紹介してきました。その最終テストとして1枚の写真と1人1台のiPadを活用した授業を紹介しました。

今回は、この1枚の写真をどうやって子どもたち一人ひとりの手元に届けるか、生活科の授業の中においてその目標を達成するために1人1台デバイスを活用しつつ、学校生活において必須の操作スキルを身につける事例を紹介します。

今回必要な操作スキルは、クラウド活用です。クラウドは、いつでもどこからでもインターネットにつながっていればアクセスできる場です。このインターネット上の場へのアクセス、ファイルのダウンロードとアップロードといった一連のクラウドを活用する際の操作方法を本時間で習得していきます。

この時のキーワードは、「普段の授業づくりと同じ」です。授業の自然な流れの中に埋め込みます。子どもに切実感のある課題を設定することで、子どもたちが常に目的意識をもって取り組む展開です。

最初にすること、それはまず1枚の写真を教室にあるモニタに提示し、「この中に生き物がかくれています」と伝えるだけです。

モニタに提示した1枚の写真
モニタに提示した1枚の写真

子どもたちの中に何とか見つけたい、自分の力で探し当てたい、とワクワクする気持ちが芽生えます。しかし、教室の前にあるモニタでは細部まで見えず、タブレットであればできるピンチアウト(画像を拡大)をして探すことができません。

どうしても見つけたい、そのために自分の手元に写真がほしい、まさに切実感が生まれます。

そして、生き物を見つけることは「今まで学んだこと(力)を発揮すること」(※)という目的意識も明確にもちながら活動が続けられます。

この時点で、モニタに表示した写真を自分の手元にもってくるやり方を伝えます。この写真はクラウド上に置いてあります。そこで自らその写真を取りにいくことを指導します。一つの指示を一回きりとすると、子どもたちはこれまでに獲得した「きく技」を使って進めていきます。

切実感、目的意識を明確にもっているからこそ、子どもたちは少々の難度が高いことでもやり遂げます

さらに、待っていれば手元に写真がやってくるといったように、先生からお膳立てされて取り組むのではなく、自ら情報をキャッチアップする力も養っていきます

この一連のクラウド活用によって、教室から大型提示装置の必要性がなくなっていきました。子どもたちに何か共有したければクラウドにアップしておくと、見たいは子は自分から見にいってくれます。また、自分の手元に情報があることで、個人での思考を確保することにもつながります。

操作スキルを習得するために、特別な時間を取る必要はありません。

このように、必然性をともなって普段の授業の中で埋め込むことができます。さらにこのスキルは汎用性が広く、他にいろいろな場面で活用できるため、学習の幅も広がっていきます。


つづく

プロフィール

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さとえ学園小学校

教諭 山中昭岳


なぜ、小学校の先生に?

給食、遠足、修学旅行。楽しく、変化いっぱいの毎日が過ごせ、誰よりも一番近くで子どもたちの成長する姿をみることができるから。

my belief

教師自身が一番の学び手であれ!!