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2学期『町たんけんⅡ』の単元開発

東京都港区立芝浦小学校 主任教諭 八木 美香

2学期も1学期の「町たんけんⅠ」に引き続き、「町たんけんⅡ」として行う予定です。

※日本文教出版の新しい生活科教科書(令和2年度版)では、町探検を2回に分けて取り組む構成になっているので、本校でも今年度から2年生の1学期と2学期に「町たんけん」を組み込んでいます。

私は、昨年度も今年度も2年生の担任ですが、今まで通りに行うのではなく、町探検そのものもバージョンアップしていきたいと思っています。

1学期の「町たんけんⅠ」では、初めて校外に出かける探検活動として、子どもたちはとびきりワクワクの気持ちで活動しながら、安全面について配慮すること、良いマナーで行動することを学びました。また、「準備→探検→ふりかえり」を2回繰り返すという学習過程も学びました。

2学期の「町たんけんⅡ」では、「どこを探検しようかな。」「芝浦の町についてもっともっと『ステキ』と『すごい』を見つけるぞ!」という子どもたちのワクワクの気持ちを原動力に単元づくりをしていきます。

さて、夏休みに教材研究したことは……

  1. 探検場所の確認と開発
  2. 本校の特色を生かす単元づくり

です。

町探検の教材研究に使用した資料 ※クリック,タップすると拡大します。
町探検の教材研究に使用した資料 ※クリック,タップすると拡大します。

1.探検場所の確認と開発

まずは昨年度の町探検実施にあたって探検場所として開発したところが、今年度も訪問可能かどうかの確認をしました。町の変革が大きい昨今、お店が変わったり、移動したりしているので、改めて確認が必要です(町中かどうかに関わらず、意外にも町の移り変わりは早いものです)。

また、今年度は、昨年度一緒に探検場所を開発した先生が再び同学年の担任で、昨年度のノウハウが身に付いているため、自らどんどん開発して情報提供してくれました。

一度身に付けたノウハウを生かして、自らどんどん探検場所を開発してくれます!
一度身に付けたノウハウを生かして、自らどんどん探検場所を開発してくれます!

おかげで、昨年度は探検場所の候補が16か所でしたが、今年度はさらに24か所も増えました。

探検場所の候補が出揃ったところで、「この町ならではの場所」「本校のことを知っている卒業生に関係する場所」「地域の集まりに参加していて学校とのつながりがある場所」などの視点で整理。まずは探検場所の選択肢を増やして確定しておくことで、その後、各担任が歩いて調査する際には、候補が決まっているので、安全面の考慮に力点をおいたコースづくりができます。

2.本校の特色を生かす単元づくり

本校の3年生の社会科の活動では、学習内容のスタートである「自分の住む町」について、学区域ではなく、港区(特別区のため市に準ずる)全域を扱うことになっています。

そのため、2年生の町探検は、自分の住む町をもっともっと好きになって自慢したくなるくらいの強い思いをもち、その後の社会科で港区全体へ思いを広げる重要な活動として位置付けられます。

本校のある港区「芝浦」といえば、海、運河です。

この度、探検場所を開発している際に、運河で船の仕事をしている人と出会いました。

夜に食事やクルーズを提供している屋形船が、昼間、子どもたちのために運河クルーズをしてくれるかも??? 運河で船に乗って海抜0mから自分たちの町を見上げる活動を取り入れられるかも??? と、単元にどうやって位置付けようか考えるだけでワクワクします。

本校は、学級数・児童数が多く、なかなか全教員が学年の子どもたち全員について把握しきれない、という実態があります。そこで、町探検では、学級を解体して行きたい場所ごとにグループを編成する方法ではなく、学級ごとに探検場所を決めて実施することにしています。

具体的には、各学級で子どもの思いや願いを引き出しながら、三~四つの場所を決めて訪問します。その条件の中で、子ども一人ひとりが『ステキ』と『すごい』を探していき、自分の見つけた『ステキ』と『すごい』について発信したくてたまらない!という状況をつくっていくことにこだわりをもって実践をすすめています。

互いに発信する『ステキ』と『すごい』を共有し合って、自分の町へのこだわりをもてる子どもに育っていってほしいと思います。

つづく

さとえ学園小学校 やまなかせんせい プロフィール画像

東京都港区立芝浦小学校

主任教諭 八木 美香

 


なぜ、小学校の先生に?

元々はピアノの勉強をしていました。子どもたちと歌ったり、踊ったりすることが大好き。体を動かすことが大好き。お出かけすることが大好き。工作することも大好き。子ども一人ひとりの「楽しい♪」の表情が何より大好き。

my belief

「楽しい♪」の中に学びあり。