さとえ学園小学校 教諭 山中昭岳
これまでの私の記事で、諸感覚を鍛える取り組みをすべて紹介しました。
今回は、それらの活動で習得した技がきちんと使えるものとなっているかどうかを試す、テストの取り組みを紹介します。
テストのタイトルは「あなたはチョウのお母さん」です。“におう”技と“さわる”技のみを使います。
「さぁ、みなさんはチョウのお母さんです。
たまごを産もうとしています。
でも、生まれたばかりの幼虫の餌になる葉に、たまごを産まなければいけません。
間違えてしまうと大変です。
チョウは“におう”技と“さわる”技でその葉を間違えずに探すことができます。
みなさんも“におう”技と“さわる”技をゲットしてきたので、できるはずです。
この学校の中の葉に、チョウがたまごを産む葉があります。
それを二つの技を使って探し出し、みなさんは立派なチョウのお母さんになれるでしょうか。」
【画像1、2】におう、とさわる、二つの技を使って、その葉の特徴を覚え込んでいる様子
(左:ブラックボックス 右:フィルムケース)
準備するものは、ブラックボックスとフィルムケース(なければ黒いビニール袋でも可)です。ブラックボックスには、その葉を入れて“さわる”技で感触を覚えます。フィルムケースには、その葉を少し刻んで入れ、“におう”技でそのにおいを覚えます。
このとき、よりそれぞれの感覚を研ぎ澄ますため、子どもたちは他の感覚をシャットダウンします。
(つまりは、目をつぶります。)
【画像3】実際に子どもたちがチョウになり探している様子
子どもたちは、チョウのように舞いながら(^^)、校庭にあるたくさんの葉から、さわった感触とにおいだけで、目的の葉を探し当てます。
さて、テストに合格した子どもたち。これで諸感覚はバッチリですが、実は“みる”技には落とし穴が……。
次回は“みる”技ばかりを頼りつつある子どもたちに、他の感覚の大切さを気付かせるICTの活用を紹介します。
つづく
プロフィール
さとえ学園小学校
教諭 山中昭岳
なぜ、小学校の先生に?
給食、遠足、修学旅行。楽しく、変化いっぱいの毎日が過ごせ、誰よりも一番近くで子どもたちの成長する姿をみることができるから。
my belief
教師自身が一番の学び手であれ!!