さとえ学園小学校 教諭 山中昭岳
諸感覚を鍛える取り組みを“きく”、“みる”、“におう”、そして“あじわう”と紹介してきました。
最後は“さわる”技を習得するための取り組みです。
この葉、触った感じ、どう表現しますか?
“さわる”技は、触った感じを言葉で表現し、伝え合うことで友だちの共感を得られればゲットとなります。さらに「触って気持ちいいもの」を探し、互いに交換しあって友だちの好きな触覚を知ることも行います。
情報収集が“みる”ことに偏りがちだった子どもたちも、他の感覚で情報を得ることで、よりそのものを知ることができる、ということを学びます。
この葉を、子どもたちは、このように表現しました。
「ツルチク」
どうしても、刺激が強いことを示す「チクチク」という表現に偏りがちですが、いろいろな方向(多面的な視点)からみる思考スキル(本ブログの連載の中で紹介予定です)をもつ子どもたちは、その「チクチク」から、さらに、その表面の「ツルツル」へと目を向けることができるのです。
これにより、子どもたちは、繊細な触感まで追い求めようとするようになり、今まで気付かなかった自然の状態を理解することができます。
植物のスケッチでも“さわる”技は大活躍します。「観察=“みる”技だけを使う」という固定観念をくつがえします。写真を見ると、スケッチしている子どもたちは、その対象を“さわって”みています。詳しくは、今後掲載予定の観察編でお伝えします。
さて、“さわる”技と聞くと、使う体の部分は手と思いがちですが、もっと触った感じがよくわかる部分があります。それは、「ほっぺた」です。この技を知った子どもたちは、さらに触感に対して敏感に対応する子どもへと変化します。
※頬を使う場合は、安全に十分配慮した上で、頰に触れても問題のないもののみにするよう指導しています。
また、体全体もセンサーとなります。
冬場によくすることですが、「たんぽぽさんになろう」では大の字で地面に寝転がります。これはタンポポのロゼットを体感する学習です。なぜ、タンポポは葉を地面に放射状に広げるのか、実際に自分の体全体で感じるのです。
五つの技(“きく”、“みる”、“におう”、“あじわう”、“さわる”)をゲットした子どもたちには、テストが待っています。
さて、どんなテストでしょうか。
つづく
プロフィール
さとえ学園小学校
教諭 山中昭岳
なぜ、小学校の先生に?
給食、遠足、修学旅行。楽しく、変化いっぱいの毎日が過ごせ、誰よりも一番近くで子どもたちの成長する姿をみることができるから。
my belief
教師自身が一番の学び手であれ!!