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自分自身の生活から生活科の学習へ

東京都大田区立久原小学校 主任教諭 小笠原さちえ 

私は、生活科のどの単元でも、単元終了時に子どもたちの日常生活が単元の開始前よりも「その子なりに!」「少しでも!」楽しく豊かなものになってほしい!と強く思っています。そのための「仕掛け」として取り組んでいることを紹介したいと思います。

今回は、「自分自身の生活から生活科の学習へとつなげる学習環境の工夫」です。

教室や廊下の一角に生活科コーナーをつくります。(決まった場所で、年間を通してできるとより良いと思います!!)

※下の図は参考イメージです。

1年生の春。子どもたちは、登校途中に落ちていた桜の花びらをたくさん集めて持って来ます。ある子は、タンポポを持ってきます。私は、それらをお皿(紙皿に「さくら」と書いた物)の上に大切に置いたり、花瓶(空き容器にマスキングテープを貼って「たんぽぽ」と書いた物)に飾ったりします。(飾り方がポイントです!)

また、ある子は、笹船をつくって持って来ます。それらを見た子との間に「ねえ、どこで見つけたの?」「校庭だよ。」「みんなで探しに行こうよ!」「私もつくって遊びたい!」と自然発生的なやりとりが生まれ、思いや願いが高まり、春探しや春の自然を生かした遊びの活動が始まります。

コーナーができてきたら、名前を決めます。できれば、子どもたちと一緒に決めるとより良いです。(例:子どもたちが持ってきた物を友だちに紹介する場「見て見てコーナー」、ワクワクするようなものを置いておく場「わくわく広場」など)

教師は、程よいタイミングで春のお話の絵本を読み聞かせしたり、子どもたちの目に触れて手に取れるようにと様々な絵本や図鑑をそのコーナーに展示したりしておきます。また、空の飼育ケースを置いておくと、テントウムシなどの生き物を捕まえて持ってきて、育てる子が出ます。

その他に、音楽の時間には春の歌を歌います。活動が進んでからは、子どもたちの活動の様子の写真を掲示しておくと活動を振り返ったり、新たな視点をもつことへとつながったりします。

季節の移り変わりとともに、子どもたちが持ってくる物も変わっていきます。生活科コーナーの様子も少しずつ変わり、単元も自然に変わっていくのです。

秋には、公園で拾ったドングリを持ってくる子がいます。それをきっかけにして、地域の「公園へ行きたい!」となります。学校へ帰ってきてからは、ある子がつくったドングリのコマを置いておいたり、ペットボトルにドングリを入れて置いたりします。すると、遊ぶ子が出てきて、「みんなで遊びたい!」となります。

 冬には、氷を持ってくる子がいます。氷もお皿などに置いて飾っておくことで、「探しに行きたい!」となります。このように、子どもたちが持ってきたものやつぶやきなど、日常の「生活」から「生活科の学習」へと自然につながるようにしています。そして、子どもたちの楽しく豊かな「生活」をつくることへとつながるようにしてきたいと思っています。


つづく

プロフィール

さとえ学園小学校 やまなかせんせい プロフィール画像

東京都大田区立久原小学校

主任教諭 小笠原さちえ 


なぜ、小学校の先生に?

小学校の卒業文集に「幼稚園の先生になりたい」と書いた気がします。幼稚園教諭として10年間勤務した後、「幅広く子どもたちと関わることができる人になりたい!」と思い、現在の道に至りました。

my belief

「笑う門には福来る」

「笑顔がいっぱいの教室にも福がたくさん訪れる!」と信じています。